
深夜の話。
僕は小学生の頃から深夜族で、テレビの深夜番組やラジオの深夜放送を観たり聴いたりしていた。当時(昭和40年代)、テレビの深夜番組といえば何と言っても「11PM」だった。麻雀や釣りなどの娯楽コーナーも楽しかったが、僕は美女が水着やヌードで登場する場面が好きで、一緒に観ている父とその瞬間だけは「男の連帯感」があった。
そんなお色気場面が登場すると、母は「先に寝ますよ。」といって奥の部屋に下がった。ここからは「男の世界」だと母は気を遣ってくれたのだろうと思う。しかしながら、母は僕にエッチなテレビを観てはいけませんよとか、子どもは早く寝なさいとか、そういう細かいことは一切言わなかった。おかけで僕は、本当のノビノビと育ってしまった。
「11PM」の司会を長く務めた藤本義一さんが亡くなられた。享年79歳だった。東京(日本テレビ)は大橋巨泉さん、大阪(読売テレビ)は藤本さんが司会者だった。巨泉さんが明るいエンターテイナーとすれば、藤本さんには渋い大人のダンディズムがあった。どちらの個性も光っていたが、この番組をさらに彩ったのが美女アシスタントの存在だった。
朝丘雪路、松岡きっこ、かたせ梨乃、秋川リサ、朝倉匠子、秋野暢子、村上里桂子、冴木杏奈、真理アンヌ、テレサ野田、松居一代等々。錚々(そうそう)たる美女がアシスタントを務めたが、ちなみに、僕がファンだったのは朝倉匠子さんだ(今も綺麗です。)。ちなみに、をもう一つ付け加えると、叶姉妹の美香さんは玉井美香という名前で当時、水着でカバーガールをしていた。
この頃、「11PM」のような大人も楽しめる深夜の娯楽番組がないような気がする。テレビをつけると、いつも同じ顔ぶれの芸能人やタレントが出てくる。娯楽番組にかかわらず、テレビ全体に言えることかもしれないが「ただ騒いでいる」、そんな気がして仕方ない。テレビ大好き人間の僕としては、昔が懐かしい。
写真は、上野駅。酉の市の垂れ幕が見えるが、浅草・鷲(おおとり)神社の二の酉は11月20日。今年も商売繁盛のために熊手を買ってきます。