大阪の話。
今、なにかと話題の大阪に行ってきた。といってもプライベート一人旅で、昨日一日、有給休暇をもらい飛行機で行ってきた。僕はここ数年、年二回のペースで大阪に行っている。二回のうち一回は、阪神甲子園球場まで行って、にわか阪神ファンになりきって阪神を応援する(ちなみに僕は、巨人ファンです。)。
今回は、ひたすら飲み、ひたすら食べる回で、まずは挨拶代わりに、串かつの「松葉」(写真上)で串かつを5本いただいた。ここのカレー味の若鶏は絶品で、3本くらいは平気で食べられそうだが、夜の部もあるので、1本で我慢した。
本当は、新梅田食道街(「食堂」ではなく「食道」というのが、いかにも大阪らしい。)にある「松葉本店」に行きたかったのだが、午後2時オープンでまだ開いていなかったので、地下鉄御堂筋線の梅田駅構内にある写真のお店で食べた。ご覧のように、10人も入れば一杯になる階段下の狭いスペースで営業しているが、いつ行っても満席で商売繁盛なのがわかる(商売は場所ではなく、中味の問題であることがよくわかる。)。
小腹が満たされたので、梅田駅近くのホテルにチェックインすることにした。午後2時頃到着したのだが、フロントの冷たそうなお嬢さんが「午後3時チェックインなので、まだ部屋に入れません。荷物はお預かりできます。」と言うので、「少し早いですけど、なんとか部屋に入れませんか?」と僕が食い下がると、「1000円頂ければ、すぐにチェックインできます。」と涼しい顔で言うので、正直、こん畜生と思ったが、ここはぐっと堪えて、1000円の追加料金を支払って、チェックインした(普通なら、部屋の清掃が完了していれば、チェックイン時刻前でも部屋に入れてくれると思うのだが、如何だろうか。)。
部屋で少しくつろぎ、テレビをつけたら「ミヤネ屋」をやっていた。昨日は、高島、美元離婚裁判で持ち切りといった感じで、結婚生活の生々しいエピソードがいくつも伝えられたが、もしそれらがすべて本当なら、どう考えても結婚生活を維持するのは難しいような気がした。結局、「ミヤネ屋」を最後まで観てしまったおかげで、夜の部のスタート時刻が予定より遅れてしまった。
昨日、最初に訪れたのは、大阪を代表する繁華街、千日前。吉本興業の本拠地とも言える「なんばグランド花月」も、ここ千日前にある。ところで、千日前で、何か思い出される方はいらっしゃるだろうか。それは多分、「千日デパート火災」ではないだろうか。今からちょうど40年前の5月、千日前にあった千日デパートで火災が発生し、118名が死亡する大惨事となった。その跡地には今、家電量販店のビックカメラが営業をしている。
千日前では、立呑み屋を二軒回る。大阪の立呑み屋はとにかく安い。大体、300円台か400円台で、500円以上になると、高いという感じがする。僕はこの後、梅田に戻ってもう二軒回る予定をしていたので、料理のほうは二品ずつに抑えた。柚子のなめろう、わかさぎの南蛮煮、中トロのブツなどを食べた。
生ビール一杯とレモンサワー三杯(大阪では、レモンサワーと言わずに、チューハイのレモン割りと言う。)を飲んで多少気持ちよくなり、千日前から歩いて5分くらいのところにある法善寺横丁(写真下)にちょっと立ち寄った。法善寺横丁といってすぐ思い出すのは、織田作之助「夫婦善哉」ではないだろうか。しっかりものの大阪女性を描いた作品であるが、作者の織田作之助は反権力、反東京の人だったという。今の大阪市長もなんとなく、そんな感じがしないでもない。
法善寺横丁の水掛不動尊をお参りしてから、地下鉄御堂筋線に乗って、梅田に戻った。地下鉄御堂筋線は、大阪の主要な地下鉄の一つで、御堂筋、本町、心斎橋といった駅があるが、これらの駅はすべて欧陽菲菲「雨の御堂筋」に登場する。この曲のヒットも今から40年くらい前であるが、その頃の僕は、御堂筋、心斎橋といってもどんな場所なのか全く知らなかった。後年、大阪を訪れるようになって、歌詞の世界と現実の世界が一気に近づいた気がしたものだ。
梅田に戻り、新梅田食堂街に行った。昨夜はここで二軒立呑み屋を回り、どちらの店でも日本酒(冷酒)を注文した。一軒の店には大きな樽酒があり、調子に乗って三杯いただいた。ガバガバ飲んだせいで酔いが一気に回り、今日はそろそろ打ち止めという感じになった。日本酒と一緒にいただいた明太子、とりわさなども美味かったが、いずれにせよ、昨日もよく食べ、よく飲んだ。ホテルに戻るとフロントには、昼間とは違ってにこやかな男性スタッフがいたので、今夜はぐっすり眠れそうな気がした。
さて、今日はこれから新宿に突入します。大阪もいいけど、新宿もいいよね。