食べ物の話。
世界で最も理想的な食事は、雑穀を主食とし、海藻の入った味噌汁、旬の野菜と近海で捕れる魚を副食とする江戸時代の日本の食事である。
これは、1977年、アメリカのフォード政権のときに作成された、食事と健康・慢性疾患に関する「マクガバンレポート」の結論部分だ。当時アメリカでは、心臓病が死亡原因の第一位で、これに係わる医療費だけでも25兆円を超えていて、財政を圧迫していた。
この状況を打破するために医療改革を進めようとしたアメリカは、世界中から医学、栄養学に関する専門家を集め、7年にわたる歳月と数千万ドルの国費を投入して、食事と健康・慢性疾患に関する調査を行った。出来上がった報告書は5千ページを超えるもので、そのなかで、世界で最も理想的な食事は元禄時代以前の日本の食事であると結論付けられたのである。
さて、肥満などを原因とした疾患はアメリカにとどまらない。北欧のデンマークは昨年、国民の健康増進を目的に、バターなど一定の飽和脂肪酸を含む食品に税金を課す「脂肪税」を導入した。要は、肥満を抑えるために、脂肪分の少ない食事を国民に普及させようとしたのだ。
ところが、課税したおかげで食品の価格が上昇してしまい、国民は安いバターなどを求めて隣国のドイツで買物をするようになり、結果、課税のメリットがほとんど無くなってしまった。デンマーク政府は結局、「脂肪税」を撤廃することになった。
1971年7月、日本マクドナルドの一号店が銀座にオープンした。これを契機に、日本人の食生活が変わったことは誰でも実感するところだろう。世界で最も理想的な食事は昔の日本の食事とアメリカで発表されたこと、日本ではハンバーガー文化が若者を中心に確実に広がりを見せていたわけだ。
ハンバーガーなどの脂肪分の高い欧米型の食事を止め、昔の日本の食事を見直そうというのはたやすいが、現実はなかなかそう簡単ではない。デンマークの「脂肪税」の話からもわかるように、現代人は美味しさの詰まった脂肪分たっぷりの食品からなかなか離れられないのが実情だ。
僕は今年になって、体重を意識的に落とした。年初からみると5キロくらい落ちて、ずっとその水準をキープしている。おかげで、ズボンのサイズが一つ小さくなった。でも、好きな酒はガンガン飲んでいるし、肉も食べている(僕はどちらかというと、肉食系だ。)。ただ、気をつけていることが一つだけあって、それは、食べ過ぎないということだ。
僕は単純人間だから、食べれば太るし、食べなければ痩せる、ただそう思って体重をコントロールしている。したがって、ダイエット本なんて一冊も読んだことはないし、通販でダイエット食品を買ったこともない。食べたいものは食べる、でも食べ過ぎない、そうすれば肥満になることもないし、痩せることもできると思うのだが、如何だろうか。
写真は、007シリーズ「ロシアより愛をこめて」のボンドガール、ダニオラ・ビアンキ(僕は、歴代ボンドガールのなかで一番美人だと思う。)。007最新作「スカイフォール」が北米で人気らしい(日本公開12月1日)。